業務用脱毛機を選ぶ際「できるだけ安く導入したい」「高額な機械の方が効果が高そう」といった価格だけを基準に判断してしまう方も少なくありません。しかし実際には、安いから悪い、高いからよいと単純に言い切れるものではなく、ランニングコストも考慮し、脱毛機のコストパフォーマンスを意識することが重要です。
業務用脱毛機1台につきいくらかかる?
脱毛サロンを開業・運営するうえで、最初に検討すべき重要項目が「業務用脱毛機にどれくらいのコストがかかるのか」という点です。業務用脱毛機のコストは、大きく分けて導入コストとランニングコストの2つで構成されます。導入コストの相場
業務用脱毛機の本体価格は、安価なもので約100万円前後、高価なものでは400万円以上と幅があります。市場全体で見ると、平均価格帯は200万〜300万円程度が一般的です。同じエステ業界の機器と比較すると、痩身機器は50万~300万円、フェイシャル機器は20万~150万円程度が相場とされています。これらと比べても、業務用脱毛機はエステ機器の中でも高額な部類に入るといえるでしょう。脱毛機が高額になりやすい理由のひとつが、1台で複数メニューを展開できる点にあります。多くの業務用脱毛機には、脱毛機能だけではなく、フェイシャルや痩身といったエステ機能が搭載されており、機器1台でサービスの幅を広げることが可能です。また、エステメニューの中でも脱毛はとくに需要が高く、収益性が見込める分野であることも価格に反映されています。
ランニングコストについて
脱毛機は導入して終わりではなく、維持するためのランニングコストが継続的に発生します。代表的なものとして、ランプやカートリッジの交換費用、定期メンテナンス費用、電気代などが挙げられます。くわしくは「業務用脱毛機の価格面でチェックすべきポイント」にて後述しますが、ランプ・カートリッジの交換費用だけでも業務用脱毛機1台につき10〜20万円、定期メンテナンス代で約10万円が相場とされており、さらにこれらの費用がその台数分かかるとなると、ランニングコストだけでも莫大な費用になることが予想されます。
導入コストが安価でも、毎月のランニングコストが高額であれば、経営を圧迫しかねません。そのため、脱毛機を選ぶ際は本体価格だけではなく、長期的にどれだけの維持費がかかるかを必ず確認する必要があります。
ひとりに対して全身脱毛を1回行った場合かかるコスト
脱毛メニューの中でも、とくに人気が高いのが「全身脱毛」です。では、全身脱毛をひとりに対して1回行った場合、どの程度のコストがかかるのでしょうか。全身脱毛1回あたりのコストを算出する場合「1ショットあたりのコスト × 使用ショット数」で計算できます。全身脱毛の場合、ひとりあたりのショット数は約2,000ショットが目安です。仮に1ショットあたりの単価を1円とすると「1円 × 2,000ショット = 2,000円」となり、全身脱毛1回あたりの施術コストは約2,000円という計算になります。ただし、コストを比較する際は、1ショットあたりの単価だけで判断するべきではありません。たしかに、1ショットあたりの単価を下げることで、理論上はランニングコストを抑えることが可能です。
しかし、単価が安くても出力が弱く、同じ部位を何度も往復しなければならない場合は、その分ショット数が増え、コストも比例して上昇します。そのため、全身脱毛のコストを正しく把握するには、1ショットあたりの価格だけではなく、十分な脱毛効果を発揮できる出力が確保されているかという視点が欠かせません。結果的に、少ないショット数で効果的な施術が行える脱毛機のほうが、長期的にはコストパフォーマンスに優れるケースも多いのです。
業務用脱毛機の価格面でチェックすべきポイント
業務用脱毛機は機器本体が高額なうえ、電気代などの莫大なランニングコストがかかります。ここでは、脱毛機本体、ランニングコストの価格を考える際にチェックしておきたいポイントを解説します。業務用脱毛機本体
業務用脱毛機は導入後、長期間にわたってサロン経営に影響を与える設備投資です。ここでは、脱毛機本体のコストパフォーマンスをチェックする際に必ず押さえておきたいポイントを解説します。・自店に合ったコストパフォーマンス
大型サロンであれば高額な機器でも回収が見込めますが、小規模な個人サロンの場合、導入費用を短期間で回収するのは容易ではありません。そのため、個人店には小型で導入コストを抑えられる脱毛機が適しています。小型機器は省スペースで設置でき、コスパに優れたモデルが多い点も魅力です。また、大型機器は故障時の配送手配が大変で、送料や修理費用が高額になりやすい傾向があります。一方、小型機器であれば通常の宅配便で対応でき、移動や保管も容易です。結果として、手間やコストを最小限に抑えることができます。
・脱毛ジェルを使用するタイプか
ジェル不要の脱毛機は消耗品コストを削減できる一方、出力が低く、脱毛効果がやや劣る傾向があります。また、冷却機能が搭載されていても、痛みや肌トラブルのリスクを完全に排除できるわけではありません。お客さんの肌を保護し、安全性と効果を両立させるためには、脱毛ジェルを使用する機器の方が安心といえるでしょう。価格面だけではなく、回収効率と施術品質を踏まえて選ぶことが重要です。1ショットあたりの価格
ランニングコストを考えるうえで重要なのが、1ショットあたりの価格です。これは「ランプ代 ÷ ランプの最大発数」で算出されます。施術部位や毛質によって多少前後しますが、目安として把握しておくとよいでしょう。近年では、1ショットあたり0.1~0.2円といった非常に安価な脱毛機も増えています。ただし、こうした機器は1発あたりの出力が低い傾向があり、十分な効果を出すために同じ部位を2~3往復する必要が出てくる場合があります。その結果、実際のショット数が増え、ランニングコストが4~6倍に膨らんでしまうケースもあるため注意が必要です。
電気代
脱毛機の使用には、当然ながら電気代も発生します。消費電力は機種によって異なるため、1台あたりの電気代も比較検討しておきましょう。電気代は以下の手順で算出できます。・消費電力 × 使用時間 = 電力量(Wh)
・電力量 ÷ 1000 = 電力量(kWh)
・kWh × 契約プランの1kWhあたりの電気料金 = 電気代
ただし、消費電力だけで判断するのは得策ではありません。「ひとりに対して全身脱毛を1回行った場合かかるコスト」でも解説したとおり、消費電力が高くても、施術時間が短い脱毛機であれば、結果的に電気代を抑えられる場合があります。
ランプ・カートリッジの交換費用
ランニングコストには、ランプやカートリッジの交換費用も含まれます。メーカーや機種によって差はありますが、1回あたり10万~20万円が相場です。重要なのは交換費用だけではなく、総ショット数です。総ショット数が少ない機器では、交換頻度が高くなり、結果的にコストが増えてしまいます。また、機種によってはランプ・カートリッジの交換3回に1回、ハンドピースごとの交換が必要な場合もあります。追加費用が発生するため、事前にメーカーへ確認しておくことが不可欠です。
メンテナンス代
業務用脱毛機の耐用年数は、一般的に5~7年とされています。高額な機器だからこそ、定期的なメンテナンスを行い、良好な状態を保つことが重要です。万が一故障した場合の修理費用は、内容にもよりますが10万円程度がひとつの目安となります。こうした費用も見越したうえで、長期的なコスト計画を立てる必要があります。ランニングコスト以外で注意すべき点は?
業務用脱毛機を選ぶ際、消耗品代や電気代といったランニングコストに目が向きがちですが、それ以外にも注意すべきポイントがあります。ここでは、見落とされやすい重要なチェック項目を解説します。照射スピード
まず注目したいのが「照射スピード」です。照射スピードが遅すぎると施術時間が延び、ベッドの回転率低下につながります。一方で、速い機種であれば施術時間を短縮でき、回転率や売上向上が期待できます。ただし、速すぎる照射スピードには注意が必要です。施術者側から見ると、照射位置が分かりにくくなり、打ち漏れのリスクが高まります。お客さんから見ても「施術が雑に見える」「適当に照射されているのではないか」といった不安につながる可能性もあります。重要なのは、速すぎず遅すぎない、適切な照射スピードを備えているかどうかです。