エステサロンで脱毛ビジネスを始めるためには、まず業務用脱毛機を購入する必要があります。しかし、近年は数多くの業務用脱毛機が販売されており、どのように選べばいいのかわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、エステサロン向け業務用脱毛機の選び方をくわしく解説します。導入前に確認したい注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
業務用脱毛機の種類
業務用脱毛機は、大きく分けて「医療脱毛」と「エステ脱毛」の2種類があります。使用する機器や施術者、期待できる効果が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで導入することが大切です。ここでは、医療脱毛とエステ脱毛の違いについて解説します。
医療脱毛
医療脱毛は、医療用レーザーを使用して施術を行う脱毛方法です。高出力のレーザーを照射するため、少ない施術回数でも高い脱毛効果が期待できます。ただし、医療レーザー脱毛は医療行為に該当します。そのため、医療機関でのみ導入・使用が認められており、施術を行えるのは医師や看護師などの有資格者に限られます。一般的なエステサロンでは導入できない点に注意が必要です。
エステ脱毛
エステ脱毛は、光脱毛(フラッシュ脱毛)方式の脱毛機を使用します。医療レーザーよりも出力を抑えているため、1回あたりの効果は比較的穏やかですが、継続して施術を受けることで減毛・制毛効果が期待できます。また、医療脱毛とは異なり、エステサロンで導入・運用できることも特徴です。特別な医療資格がなくても取り扱えるため、多くのエステサロンで採用されています。痛みが比較的少なく、気軽に施術を受けやすいことから、美容目的で利用する方にも人気があります。
エステサロン向け業務用脱毛機の種類と違い
エステサロン向けの業務用脱毛機は、基本的に「IPL脱毛」「SHR脱毛」「S.S.C.M脱毛」の3種類です。それぞれ照射方法や得意とする毛質、施術時の痛みなどが異なるため、サロンのコンセプトやターゲットに合わせて選ぶことが大切です。IPL脱毛
IPL(Intense Pulsed Light)脱毛は、メラニン色素に反応する光を照射して脱毛を行う方式です。1回で広範囲に高いエネルギーを照射でき、濃く太い毛に高い効果を発揮します。速く効果が出やすいことから、多くのエステサロンで採用されています。ただし、細胞分裂が活発な成長期の毛をターゲットとするため、毛周期に沿った施術が必要になります。また、メラニンに反応する仕組みのため、日焼け肌や色素の薄い産毛への施術には向かない場合があります。
メーカーによっては「HIPL」「S-IPL」「THR」と呼ぶこともありますが、IPL脱毛と同じ原理です。
SHR脱毛
SHR(Super Hair Removal)脱毛は、毛包に弱い光を連続して照射する脱毛方式です。従来の毛根をターゲットとする脱毛方式とは異なり、毛を生やす組織にアプローチするため、毛周期の影響を受けにくいことが特徴です。また、痛みや熱さを感じにくく、日焼け肌や産毛にも対応しやすいことから、幅広いお客様に施術を提供できます。「SPL」「NPL」と呼ばれる脱毛方式もSHR脱毛と同じ原理です。
S.S.C.M脱毛
S.S.C.M(Smooth Skin Control Method)脱毛は、世界的に有名なイタリアの医療メーカー「DEKA社」が開発した脱毛方式です。専用のジェルと光を組み合わせて施術します。ジェルに含まれる成分が光に反応し、毛の成長を抑えることで減毛・制毛効果が期待できます。肌への負担や痛みが比較的少ないため、敏感肌の方にも施術しやすい点が特徴です。また、美肌ケアを重視するエステサロンでも採用されることがあります。
業務用脱毛機を選ぶ際のポイント
業務用脱毛機は、導入費用だけでなく、施術効率やランニングコスト、サポート体制なども含めて比較することが大切です。サロンの規模やターゲット層に合わない機種を選んでしまうと、施術時間が長くなり利益率が低下するおそれがあります。ここでは、業務用脱毛機を選ぶ際に確認したいポイントを紹介します。
施術にかかる時間
施術時間は、サロンの回転率や売上に大きく影響するため、業務用脱毛機を選ぶうえで重要なポイントです。施術時間を短縮できれば、一日に対応できるお客様の数が増え、業務効率や収益性の向上にもつながります。業務用脱毛機には、大きく「単発式」と「連射式」の2種類があります。単発式は1発ずつ照射する方式で、1~2秒間に1発程度の照射を行うものがほとんどです。一方、連射式は1秒間に2発以上照射できる方式で、高性能な機種では1秒間に10発程度の照射が可能なものもあります。
ただし、連射式であれば必ず施術時間を短縮できるとは限りません。機種によっては、単発式1回分のエネルギーを複数回に分けて照射し、それを「連射」としているケースもあります。このような機種は往復照射が必要になる場合があり、結果として施術時間が長くなったり、脱毛効果が十分に得られなかったりする可能性があります。
そのため、照射スピードだけで判断するのではなく、出力や照射方式、1回あたりの施術時間まで確認したうえで、自社の施術スタイルに適した業務用脱毛機を選びましょう。
施術時の痛み
施術時の痛みも重要な比較ポイントです。痛みが強いと施術中の負担が大きくなるだけでなく、途中で通うことをやめてしまうお客様もいるため、顧客満足度にも影響します。光脱毛は、光エネルギーによって発生した熱で発毛組織にアプローチする仕組みです。照射時には60~80℃程度の熱が発生するため、メラニン色素の濃い毛や肌の状態によっては、熱による刺激や痛みを感じることがあります。
近年の業務用脱毛機には冷却機能を搭載したモデルも多く、肌への負担や痛みを軽減しながら施術できるものが増えています。とくに敏感肌や痛みに不安を感じる方をターゲットにする場合は、痛みの少ない機種を選ぶことがおすすめです。
本体価格
業務用脱毛機は数十万円程度のものから数百万円を超えるものまで幅広く、本体価格は機種によって大きく異なります。高額な機種ほど多機能である傾向がありますが、自社の規模や施術メニューに合わない機能まで搭載されている場合もあります。たとえば、美肌機能やバストケアといった機能を搭載しているモデルは、100万円以上かかることがほとんどです。また、脱毛機のサイズによっても値段は変わります。
導入費用だけで判断するのではなく、必要な機能や期待できる売上とのバランスを考慮しながら選ぶことが大切です。
ランニングコスト
業務用脱毛機を選ぶ際は、本体価格だけでなくランニングコストも確認することが大切です。導入費用が安くても、消耗品やメンテナンスにかかる費用が高ければ、長期的なコストが大きくなる可能性があります。光脱毛機には、「光源ランプ」と呼ばれる消耗品が搭載されています。ランプはショット数に上限があり、定期的に交換が必要になります。そのため、総ショット数やランプ交換費用によって、1回あたりの施術コストは大きく変わります。
たとえば、40万ショット対応と60万ショット対応のハンドピースが同じ価格だった場合、一見すると60万ショット対応の方がコストパフォーマンスは高く見えます。しかし、低出力で往復照射が必要な機種では照射回数が増えるため、結果的に1回あたりのコストが高くなるケースもあります。ショット数だけでなく、照射方式や施術効率まで含めて比較することが重要です。
また、ランニングコストはランプ交換費用だけではありません。施術で使用するジェルやタオルなどの消耗品、洗濯・クリーニング費用、定期メンテナンス費用なども継続的に発生します。ジェルの拭き取りが不要な機種であれば、施術時間の短縮やタオル代・クリーニング代の削減につながる場合もあります。
このように、業務用脱毛機は本体価格だけで判断せず、導入後に発生する費用まで含めて比較することが大切です。長期的な収益性を考慮し、トータルコストを把握したうえで導入する機種を選びましょう。
リース・レンタルが可能か
導入コストを抑えたい場合は、リースやレンタルに対応しているかどうかも確認しておきましょう。リースを利用すれば、初期費用を抑えながら業務用脱毛機を導入できます。新製品を利用できるため、導入前に試してみたいという場合にも最適です。また、レンタルであれば短期間だけ利用できるため、新規開業時や試験的に脱毛メニューを導入したい場合にも適しています。万が一脱毛ビジネスに失敗してしまった場合でも、負債を最小限に抑えられます。
導入方法によって月々の費用や契約期間、メンテナンス内容は異なるため、自社の資金計画や経営方針に合った方法を選ぶことが大切です。
脱毛以外のメニュー展開が可能か
業務用脱毛機のなかには、脱毛だけでなくフェイシャルケアやフォト美顔、バストケアなどの美容メニューに対応している機種もあります。1台で複数の施術を提供できるため、新たなサービスを導入しやすく、客単価の向上も期待できます。また、脱毛は施術が完了すると来店頻度が減少しやすいサービスです。そのため、多機能な業務用脱毛機であれば、脱毛を卒業したお客様にフェイシャルケアなどのメニューを提案し、継続的な来店促進や売上向上につなげられます。
さらに、複数の美容メニューを1台で提供できるため、機器を追加で導入する必要がなく、設備投資を抑えられる点もメリットです。将来的にメニューを拡充したいと考えているサロンは、多機能モデルを選ぶとよいでしょう。
経営サポート体制
業務用脱毛機は、導入して終わりではありません。安定したサロン経営を続けるためには、集客方法やリピート率・客単価の向上、スタッフの採用・教育など、さまざまな課題に対応していく必要があります。また、お客様から施術や肌に関する質問を受けたり、施術後に肌トラブルが発生したりした場合など、現場ではメーカーのサポートが必要になる場面も少なくありません。
そのため、業務用脱毛機を選ぶ際は、機器の性能だけでなく、導入後の経営サポート体制も確認しましょう。集客支援や販促ツールの提供、スタッフ研修、施術に関する相談窓口など、サポート内容が充実しているメーカーを選ぶことで、開業後や新規メニュー導入後も安心してサロン運営を続けられます。
機器のメンテナンス・修理体制
業務用脱毛機は長期間使用する設備であるため、メンテナンスや修理体制も重要なポイントです。万が一故障すると施術を提供できなくなり、予約の変更や売上の減少につながる可能性があります。故障時の対応方法は、主に「センドバック」と「訪問修理」の2種類です。センドバックは、故障した機器をメーカーへ送付して修理・交換を行う方法です。
メーカーによっては、故障機を受け取ってから代替機を発送するケースもあるため、修理期間中は営業に支障が出る可能性があります。導入前に、代替機をすぐに手配してもらえるか確認しておくと安心です。
一方、訪問修理はメーカーのスタッフがサロンを訪問し、その場で修理を行う方法です。故障内容によっては施術への影響を最小限に抑えられるため、営業を継続しやすいメリットがあります。
また、海外製の業務用脱毛機は、部品の取り寄せや修理に時間がかかったり、修理費用が高額になったりする場合もあります。万が一のトラブルに迅速に対応してもらえるか、修理方法や代替機の有無、部品供給体制なども含めて確認しておきましょう。
製品保証
製品保証の内容も導入前に確認しておきたいポイントです。保証期間や保証対象はメーカーによって異なり、自然故障のみを対象とする場合もあれば、部品交換や修理費用までカバーしている場合もあります。保証内容が充実している製品を選べば、万が一の故障時にも修理費用を抑えられます。安心して長期間使用するためにも、保証期間やアフターサービスの内容を比較したうえで導入を検討しましょう。
なお、中古の業務用脱毛機は、メーカー保証を受けられないケースがほとんどです。中古品は安く購入することができますが、故障した場合の修理費が高くなりやすい点に注意しましょう。
販売実績
信頼できるメーカーかどうかを判断する際は、これまでの販売実績も確認しましょう。販売実績が豊富なメーカーは、多くのサロンで導入・運用されてきた実績があるため、機器の性能だけでなく、アフターサポートやメンテナンス体制も充実している傾向があります。また、長年にわたって多くの導入実績を持つメーカーであれば、サロン運営に関するノウハウも豊富です。導入実績や利用者の声なども参考にしながら、安心して長く使用できる業務用脱毛機を選びましょう。
業務用脱毛器を選ぶ際の注意点
業務用脱毛機は高額な設備投資となるため、価格だけで判断すると導入後に思わぬトラブルが発生する可能性があります。長期間使用する機器だからこそ、サポート体制や安全性なども含めて慎重に判断しましょう。ここでは、業務用脱毛機を選ぶ際に気をつけるべき注意点を紹介します。
中古脱毛器はサポートを受けられない可能性がある
中古の業務用脱毛器は新品よりも導入費用を抑えられるため、開業時のコストを削減したいサロンにとって魅力的な選択肢です。しかし、メーカー保証が終了していたり、保守契約を引き継げなかったりする場合があり、故障時に十分なサポートを受けられない可能性があります。また、中古品は新品と比べて故障リスクが高い点にも注意が必要です。保証期間外だと高額な修理費を支払わなければならない可能性もあります。
さらに、交換部品の供給が終了している機種だと、修理そのものが難しいケースもあります。購入前には、保証の有無や修理対応、部品供給の状況などを確認し、導入後も安心して使用できるかどうかをチェックしましょう。
機器の性能・安全性をしっかりチェックする
業務用脱毛器は、お客様の肌に直接使用する機器であるため、性能だけでなく安全性も重要なポイントです。照射方式や冷却機能、出力調整機能などを確認し、さまざまな肌質や毛質に対応できる機種を選びましょう。とくに海外製の業務用脱毛機を導入する場合には、品質をチェックすることが大切です。海外製だからといって必ずしも品質が低いというわけではありませんが、日本人の肌に合わせた設計になっていない場合もあります。
なお、国内メーカーの製品であっても、海外製の部品を使用して日本で組み立てているケースもあります。気になる場合は、製造工場や品質管理体制について確認しておくと安心です。
また、安全装置の有無やメーカーによる品質管理体制も確認しておくと安心です。価格だけで選ぶのではなく、十分な性能と安全性を備えた機器を導入することで、お客様の満足度向上やトラブル防止にもつながります。
まとめ
業務用脱毛機を選ぶ際は、脱毛方式や照射スピード、ランニングコスト、安全性、メーカーのサポート体制などを総合的に比較することが重要です。サロンのコンセプトやターゲット層に合った機種を選ぶことで、施術の品質向上や業務効率化、顧客満足度の向上に期待できます。また、導入後も長く使用する設備だからこそ価格だけで判断せず、メンテナンス体制や保証内容までしっかりと確認しておきましょう。アフターフォローが整っているメーカーを選ぶことで、顧客からの信頼獲得にもつながります。
自社に最適な業務用脱毛機を選ぶことで、満足度の高い脱毛サービスを提供できることでしょう。本記事が参考になれば幸いです。